月別アーカイブ: 9月, 2009

薬の効き目 良好


夏のペンションのお客様がひと段落ついた8月25日大阪のハートセンター(循環器専門の動物病院)に行って来ました。 前回処方された薬の効き具合とTowaの現在の病状を診ていただくのが目的です。


検査は前回同様、エコー、血流速度の測定、心臓の肥大程度、多臓器への影響(血液検査)でした。 Towaはなぜかお医者さんが好きな様で(特に女医さん)、うれしそうにお医者さんに連れられていきます。
検査の結果は、血流速度は4.8m/秒程度(前回は5.2m/秒)でしたから、血流速度は少し遅くなっていました。心臓の筋肉の厚みは1mm程度増えてはいましたが、これは誤差の範囲内だそうで、急激な肥大は認められないとの事でした。血流の逆流はありますが、前回よりひどくなっているということではなかったようです。また、血液検査の結果もほぼ標準範囲内で目立った所見はないとのことでした。

要するに、前回の検査以後進行は薬によっておさえられているということのようでした。先生から「この状態なら1歳の山はないかもしれない」という言葉がありました。
Towaはなぜか薬が好きで、食後の投薬の時にはおやつをもらうときのように姿勢良く待っていて、おいしそうにぺろりと食べてしまうのです。先生や看護士さんの前でも上手に飲み、驚かせていました。


ただ、この病気は進行を遅らせることは出来ても、進行し続ける性質のものですので、無理はさせないようにすることが大切です。ですが、ある程度の運動量は確保することも必要なことだそうで、朝、夕15分程度の散歩はしています。


次回の検診は2ヵ月後(10月下旬)の予定です。


重症 心雑音

9月15日 8ヶ月の誕生日を迎えました。


この三ヶ月ほどブログの更新が滞っていましたが、つらいことがあったものですから・・・


以前に「検診でTowaに心雑音がある」と指摘されたことを書きましたが、7月15日、6ヶ月の誕生日の検診で主治医の先生からこの「心雑音がひどくなっている」といわれました。エコー検査の写真を見せてもらいましたが、確かに大動脈弁のあたりが狭窄しているように見えました。その病院にはさらに詳しく調べ、正確な診断をする機器がないので大阪の犬の循環器専門の病院を紹介されました。早速予約を取り7月17日に大阪に行くことにしました。


病院はまだ開業したばかりの新しい病院でした。ご夫婦で運営なさっている病院ですが、ご主人は東京農工大の講師をなさっているハイレベルな病院だそうです。完全予約制で、Towaの検査の間(約1時間30分)他の患者はいませんでした。
心電図、エコー検査、血流(速度)検査、合併症の有無を調べる血液検査・・・
とてもお利口だったようで麻酔もかけず、押さえつけるための私の力も必要とされず、検査を終えて元気に出てきました。


結果は「大動脈弁下部狭窄症」および「そうぼう弁形成不全」という診断がなされました。先天性の疾患です。心臓から全身に血液が送り出される大動脈の弁の下に大きな肉の盛り上がりがあり、これが血液の送り出しを邪魔しているというわけです。Towaの心臓はこれをカバーするために必要以上の大きな拍動で血液を全身に送り届けようと頑張っているのです。このため、心臓肥大が起こります。これが進行していくと心臓そのものに血液がいきわたらなくなってくるほど肥大化していきます。
大きくなるほどに血管は長くなりますので、心臓はより頑張って血液を送らなければなりません。心臓は毎日(命ある限り)筋肉トレーニングをしているようなもので、心臓はどんどん肥大していくということになります。

狭窄の程度はその部分を流れる血流速度と心拍の大きさで見るのですが、Towaの血流速度は5.2m/秒でした。5mを超えると危険な状態だそうです。心拍もかなり大きくなっていました。

それに加えて心房から心室への血液の流れに若干の逆流が見られ、これはそうぼう弁の形成が十分でないことが原因だそうです。逆流が起こると肝臓や腎臓への影響が出てくるようになります。他の臓器への影響を調べるために血液検査を行いましたが、こちらのほうは7月17日時点ではほぼ正常値を示していました。


病状は「かなりの重症」だそうで、「早ければ1歳前後、よく頑張って3歳ころまでの命」と告げられました。
治療法としては、①バルーンを用いて狭窄部位を広げる外科的処置 ②内用薬の服用で血液の流れを良くするとともに、心臓の肥大を抑制するという二つの方法がありますが、①の場合その手術のリスクおよび術後の生存期間の統計からみて高額な手術費用を払って行う意味はあまりないとの事でしたので、②を選択することにしました。


この病気の今後は、まず良くなることを期待することはできないということ(生きている限り心臓は動き続けます。そのことで心臓は肥大してゆきます。)そのため肥大化した心臓そのものへの血液の供給が阻害されるようになって来る。さらにそうぼう弁の形成不全とあいまって、血液の逆流が深刻なものになると肝臓や腎臓への悪影響が出てくる。心不全につながり「突然死」という事態になる危険性が高い。
2種類の薬を処方してもらい、次回(一ヶ月後)の診察の指示を受けて帰ってきました。



先代のあぐりを原因不明の病気で早くになくした苦い思いから、「Towa」と名づけ末永く一緒に暮らしたいと願い家族に迎えたこの子が・・・。スポンサーであるおじいさんはぼう然!娘はあぐりを送った悲しみの涙が乾かぬうちの出来事に、必死にこらえても涙は倍になってあふれ出てきます。
しばらくはブログの更新をするのがつらくて、3ヶ月も滞ってしまったというわけです。


それから3ヶ月経った今、「短い命になるかもしれないが、Towaと当たり前に楽しく暮らしていこう。その命が1日でも長くなるようできるだけのことをしてやろう。」と思えるようになってきました。


これからは、Towaの成長記録とともに闘病記録も併せて綴っていこうと思います。